清酒醸造の決め手は酒米の品質です。
清酒に適した米の条件は、
○ 米粒が大きいこと
○ 米の芯に乳白色の芯白があること
○ タンパク質、脂肪分が少ないこと など。
木内酒造では、地元茨城や兵庫県加西市の農家の方々に協力いただき、山田錦をはじめ高品質な米を低農薬で栽培しています。
最初に購入した玄米を精米します。精米機は、1回に1200kg入る大型精米機です。この機械で米の外側にある脂肪(醗酵を阻害する成分)、たんぱく質(雑味の成分)を取り除きます。お酒によって精米歩合(出来上がりの白米数量/玄米の数量)が違います。木内酒造の清酒は、下記のとおりの精米歩合です。
品名 | 精米歩合 | 全国平均の精米歩合 |
---|---|---|
菊盛 純米酒 | 65% | 73% |
菊盛 吟造り | 55% | 65% |
菊盛 大吟醸 | 40% | 50% |
精米したお米は、2週間から1月ほど「枯らし」と称して、倉庫に保存します。この期間に米の水分が均一になり、より良い「蒸し」が得られるようになります。「枯らし」が終了した米は、水洗いを行ないます。1日に1000kg以上の白米を洗います。そして、白米に水を吸わせます。大吟醸など精白率が50%より低い米は、崩れやすく水分を吸いやすいために大切に手で洗います。
洗った米を「こしき」とよばれる巨大な蒸篭(せいろ)で蒸し上げます。
蒸しあがった米の20%は、麹にします。
40度まで冷まして種麹(麹カビの胞子)を散布します。 そして48時間かけじっくりとカビの菌糸を繁殖させます。
このようにして出来た麹には、米のでんぷん質を糖化させる酵素や醗酵を助ける成分などが たくさん含まれます。 昔から、一に麹、二にもと(酵母)、三につくり(もろみの醗酵)と、この麹造りが良い酒造りの 一番の基本だと言われています。
お酒の香りを決める主役は、酵母です。香りが高く、味わいが豊かな酵母を培養しなければなりません。
まさしく酒の母、醗酵をつかさどる酵母を純粋に多量に培養します。麹、蒸した米、水そして酵母培養室で純粋に培養した酵母を加え、1週間から3週間ほど醗酵させます。
麹、蒸した米、酒母、仕込み水を加えて醗酵させます。日本酒の醗酵は麹による糖化と酵母によるアルコール醗酵が同時に進行する世界でも稀な形態です(並行複醗酵と呼ばれます)。もろみの温度が高くなればアルコール発酵が進み過ぎ、また、逆に温度が低すぎれば糖化が進みすぎてしまいます。このバランスを保つのが良い日本酒造りのポイントの一つです。仕込をしてから20日ほど過ぎると、ほぼもろみが完成し、果実のような芳香を放ちます。
醗酵が終了し、もろみに十分なアルコールが出来、また豊かな風味が備われば、醸造の最後の仕事である上槽(しぼり)により透明な新酒と酒粕に分けます。
できあがった清酒は、ごみを取り除くろ過、酵母菌、酵素等を死滅させる火入により最後の仕上げを行ないます。
低温でゆっくり熟成させます。
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